プロフェッショナルサービスPROFESSIONAL SERVICES

eIDAS関連技術支援

トラストサービスのプラットフォーム開発
eIDAS関連技術の導入支援

eIDAS規則とは

eIDAS規則(Electronic Identification and Trust Services Regulation)とは、EU全域への電子署名法の拡大を目的として、2016年7月1日に施行された標準規則です。ここで規定される内容は、あらゆる国内法に優先し全EU加盟国に対して強制的に適用されます。 eIDAS規則は、先に発出されていた電子署名に関する指令(eSignature Directive)を置き換えるもので、新たにトラストサービスの提供要件と範囲も定められました。

トラストサービスとは、電子データの信頼性を高めるために提供されるサービス全般のことです。主に電子署名、電子シール、電子タイムスタンプ等に関連する証明書の生成、検証、照合を行うサービスを指し、これらサービスを提供する機関や組織をトラストサービスプロバイダ(TSP)といいます。

eIDAS規則で初めてトラストサービスが詳細に定義されたことによって、各サービスの法的な意味も明確化され、eIDAS関連技術の重要性が認知されるようになりました。

もっと詳しい解説はこちら「eIDAS規則(Electronic Identification and Trust Services Regulation)とは」

サイバーウェアが提供する技術

サイバーウェアはこれまで電子署名法に基づく電子署名サービスのコア技術やeIDにおける電子署名サービスを多くのお客様に提供してきました。eIDASに関連する技術としては、リモート署名の実装があります。

・リモート署名

リモート署名とは、トラストサービスプロバイダの電子証明書を使って、署名者の電子証明書(秘密鍵)をサーバ上で管理し、この電子証明書で電子署名を実現する仕組みのことです。eIDAS規則では、国内の電子取引に有効なレベル(SCAL1: Sole Control Level 1)と国を跨った電子取引でも有効なレベル(SCAL2: Sole Control Level 2)に分けて、それぞれの要件が規定されています。SCAL1は、例えば、企業間電子契約、株式取引、請求書への署名などの用途で利用されるのに対して、SCAL2はCtoGの行政電子申請や商業登記、銀行口座開設などで利用されます。

リモート署名

当社サイバーウェアでは、SCAL1はもちろんのこと、SCAL2要件をお客様への技術提供により実現しています。SCAL2の要件を満たすためには、特殊なトークン発行やHSMの利用、CEN/FIPS等セキュリティ基準への準拠などが義務付けられており、通常これを実現するには膨大なコストと時間を要します。サイバーウェアがご提供するIDEA製品・FMソリューション・HSM構築支援は、これらの特に技術ノウハウを必要とする部分を一手に引き受け、来る日本版eIDASに先駆けたお客様の電子書類化をサポートします。

「FM(Functionality Module)導入支援サービス」に関する詳細はこちら

関連するサービス

2019年1月に行われた世界経済フォーラムで日本政府が提唱した「Data Free Flow with Trust (DFFT)」。世界的なデータ駆動型社会への流れの中で、データは信頼性のある方法で自由に流通しなければならないという考え方を主張したものです。しかし、日本のデータ流通はまだまだ低調であり、実際に安全性の議論がなされるのもまだ先に控える段階にあるというのが現状です。一方、電子国家と称されひとつのモデルケースとなっているエストニアではX-Road技術によってすでにDFFTと同等の環境が実現されつつあります。

X-Roadは分散したデータを集中管理する信頼性の高いデータ交換プラットフォームです。エストニアはありとあらゆる公的機関をX-Roadで連携させることによって安全で自由なデータ交換を実現しています。実はこのX-Roadもトラストサービスがないと成り立たない技術のひとつであり、電子シールやタイムスタンプによってセキュリティ性を保っています。また、X-Roadを構成する各サーバにはTSPが発行した適格証明書が配置され、通信時の認証に使用されます。国家規模のデータ連携を行うにあたり大きな課題であったプラットフォームの安全性確保は様々なトラストサービスによって実現されているのです。

日本でも、近年X-Roadを活用したサービスが見られるようになってきました。しかし、その仕組みと意義の、正しい理解に基づいて実運用に乗せられている企業はまだ多くはありません。サイバーウェアはノウハウを持った海外パートナーと相互に協力しX-roadを活用したプロジェクトに取り組んでいます。

サイバーウェアはeIDAS関連の技術のみならず、X-Roadに関連する技術・サービスも提供してまいります。